ユニバーシティカレッジダブリン留学レポート

ユニバーシティカレッジダブリン【2014年度前期帰国】

レポート作成M.I

campus-thumb-stlucia

私の出発前のアイルランドへのイメージは雨ばかりでとても寒い場所というイメージでしたが、実際は雨が一日続く日の多さは日本と変わらない程度でした。アイルランドでは一日に春夏秋冬全ての季節が感じられると言われていて朝晴れていても突然雨が降り寒くなりしばらくするとまた暑くなるという日が多かったのですが、慣れていくうちにその気候でさえも楽しめるようになりました。

ダブリンの治安は比較的良いと感じました。夜中に出歩いても怖いと感じたことはありません。街の中心地にはパブがたくさんあり、毎日遅くまで大勢の人でにぎわっていてタクシーがたくさん走っているので常に人がいて安全だと思います。ダブリンの真ん中を流れる川より北側は少し危ないと言われているのですが、出歩くときに行きたい場所はほとんど南側の安全と言われている場所にあるので自分で最低限の注意さえしていれば問題ありません。

UCDはアイルランド最大の大学で迷子になってしまうくらい広いですが、木がたくさん生えていて池があり、中心部からバスで20分のところにあるとは思えないような自然がいっぱいのキャンパスです。キャンパス内にスポーツジムや学生寮、パブ、郵便局、スーパーマーケットまでもあり学校内で生活することに不便なことはありませんでした。

私は留学先で他の日本人に会うことを避けたくて、日本人留学生が少ないという情報があったダブリンを選びました。私が思っていた通り夏タームの後半までは日本人に出会わなかったので、語学力の向上という面では完璧だったと思います。しかし、私は自分がみんなにとってたった一人の日本人になるという責任を理解できてなかったと思います。友達に日本のことを教えてほしいと言われてもなかなか浮かばないことが多く、上手く伝えられないこともあり少し悔しい思いもしました。他の国の友達は自分の国について話し出すと止まらないくらい自分たちの国について知っているのに、私は知らないことも多く恥ずかしいと思いました。渡航前に英語だけでなく、もっと日本についての勉強もしておくべきでした。

アイルランドには特に有名な観光スポットがあるわけでもなく、天気がすごく良いリゾート地のような場所でもありません。しかし、私が出会った友達みんなが声を揃えて、アイルランドが好きだ、帰国したくないと言っていました。それは、ダブリンの治安が良いこと、そしてなにより現地の人々が温かく陽気であるからだと感じました。道に迷って誰に聞いても無視されることなど無く、みんな親切に教えてくれたり目的地まで連れて行ってくれたりと優しい人が多いように感じました。

3月末にガンの治療のためのチャリティーイベントが行われていて、募金した証のバッチを歩いているほとんどの人が付けていたのにも驚きました。そしてそのバッチをイベントが終わってからの数日間みんな付けたまま歩いていて、日本ではあまりない光景だと感じ、嬉しかったです。

また、現地の人は私たち留学生にすごく興味があるようでどこへ行っても、どこから来たの?などと話しかけてくれて不安になることはありませんでした。一度夜中にバスで帰宅しないといけなくなったときに深夜バスという普段と少しルートが違うバスに乗りました。暗かったこともあり、最寄りのバス停がわからず運転手さんに聞いた時にはすでに過ぎてしまっていて困り果てた私を見た運転手さんは、最後に送り届けるからそのまま乗っていていいよと言ってくれ、本当に最後にはルートとは違う私のホームステイ先の家の前まで送り届けてくれました。そしてチップを渡そうとしたのですが運転手さんはそれすら断ってただにこっと笑っておやすみと言っただけでした。同じような経験をした友達も何人かいて、このような経験から母国愛のような気持ちが生まれるのだろうと感じました。

私が留学して一番良かったと思えるのは、世界中に友達ができたことです。ダブリンにはヨーロッパや南米、アジアなどから多くの人が集まっていて語学学校だけではなく街中でも多くの人と出会う機会があり、アイルランド、イギリス、スペイン、フランス、イタリア、ブラジル、コロンビア、ベネズエラ、ロシア、カナダ、メキシコ、サウジアラビア、クウェート、イラク、韓国、中国、フィリピンと本当に世界中に友達がたくさんできました。そしてその国籍も年齢も宗教も文化も違う友達から学ぶことがたくさんあり、今までに見たことない景色をたくさん見て自分の視野や考え方が広がったように感じます。私は特に仲良くなったスペイン人の友達とは会う約束をして帰国前にスペインを訪れました。スペインでは、アイルランドとはまた違った文化に触れることができました。友達からたくさんのことを聞いていて、やはり話を聞くのも大事ですが自分で体験するのが理解するための一番の方法だと感じました。スペインの人は明るく気さくで言葉がわからなくても一生懸命伝えようとしてくれました。また、スペインでレストランに行ったときに日本との違いに驚きました。マニュアル通りに行う日本の接客とは違い、マニュアルなど無いように感じそれぞれの方法でお客さんを楽しませている店員さんたちに感動しました。

留学を終えてまず感じたのは、自分を支えてくれた家族や友達への感謝の気持ちでした。終わりに近づくにつれて、あんなに素晴らしい景色を見ることができたのは支えてくれたみんなのおかげだと強く感じました。この経験は自分一人の力では絶対にできなかったことなので、この感謝の気持ちと経験を生かしてこれからもより積極的に行動していきたいと感じました。