東フィンランド大学留学帰国レポート

東フィンランド大学

レポート作成U.T

<受講科目と授業内容>

私が東フィンランド大学で受講した授業の中からいくつかを簡単に紹介したいと思います。

・Intercultural Communication Competence

-この授業はWebコースという授業形式を取っており、生徒個人で資料を読んだり、インタビューをしたりして得た知識をもとに3つの課題に取り組むというものでした。異なる文化を持つ国の人とコミュニケーションを取る上でぶつかることになると予想される異文化間の壁をどのようにして受け入れ、乗り越えるとよいのかということについて学びました。

 

・Introduction to Finnish School Life

-実際に小学校で教師として働いている先生によるフィンランドの小中学校の教育システム、教育の歴史、PISAにおけるフィンランドが上位に位置する理由など、フィンランドの教育に関する全般的なことを学びました。また、この授業では実際に小学校で行われている授業を見学することができ、フィンランド語で行われている授業でも先生の身振り手振りや、生徒たちの授業態度や課題への取り組み方から学べることは多かったです。

 

・American Studies

アメリカの文化や社会の発展に至るまでの背景や歴史を認識することのできるもので、アメリカ人の教授による授業でした。アメリカが世界に及ぼした影響や戦時中や戦後のアメリカの復興などについてアメリカ側の視点から学ぶことができました。また、アメリカとおフィンランドの社会における異なる点についても様々な角度から学ぶことができました。

・Finnish 1

-フィンランド語を学ぶ初心者のための授業です。筆記の中間試験とオーラルと筆記の二部構成の期末試験があります。

 

・English as a World Language

-現在、世界の共通語となっている英語がどのようにして世界中に広がっていったのか社会的、歴史的背景から学んだり、イギリス英語やオーストラリア英語などそれぞれの国の英語の文法や発音の特徴や違いを学んだりしました。

 

・The Religious Life in Finland: Between East and West

-フィンランドではキリスト教のルター派に属する人と正教会に属する人とで東西で分かれる傾向にあるようで、その両者における関係性や違いについて学びました。フィンランドの宗教の背景を学び、社会における宗教の意味合いを理解することができたと思います。実際に1日かけて修道院や教会を訪れ、神父の方やシスターの方からお話を聞くことができました。

 

・History of Karelia

-フィンランドとロシアの国境地帯であるKareliaという地域の歴史、文化、民族などについて氷河期から現代までの時代の推移とともに学びました。

 

・Theological Perspectives on Contemporary Topics

-フィンランドの大学で神学を学ぶにあたって学生はどのようなことを学ぶのかということを知ることのできる授業でした。毎回異なる教授によるチェーンレクチャーのような形式で、フィンランドの東側と西側における宗教の違いや、聖書やフィンランド内にある教会の歴史などについて学びました。

 

・English Grammar 1

-アメリカ人の先生による授業で、内容は高校で学んできた英文法をもう少し深く、専門的に学ぶことができました。専門用語が多く、また一つの単元にあまり時間をかけずにスラスラと新しい項目へと進んでいくために予習、復習をして自分で確実に理解して、それぞれの専門用語の持つ意味を説明できるようにしておく必要がありました。

 

・Finnish 2

-Finnish 1から1つ段階が上がったもので、文法もより細かく学びました。フィンランド語で出身地を紹介するレポートを書き、その後プレゼンをしました。また、Finnish 1同様、筆記の中間試験と筆記とオーラルの2つから成る期末試験がありました。オーラル試験では、先生との質疑応答のほかに2人1組のペアでホテルやレストランの予約を取るというシチュエーションで会話をするというものが行われました。

 

 

ここからは、フィンランドでの生活について述べていきたいと思います。

<寮について>

私はLatolankatu9という寮に住んでいました。私の住む寮は、3人でルームシェアをしており、キッチン、シャワールーム、トイレを3人でシェアして使っています。3人それぞれ家具付き(ベッド、机、いす、棚、クローゼット)の個室もあり、プライベートな時間も確保することができるため、落ち着いた生活を送ることが出来ました。私が住んでいた寮は大学から5㎞ほど離れているため、徒歩での通学となると片道1時間ほどかかってしまいます。そのため、通学にはバスか自転車を利用することをおすすめします。バスは値段が高く、片道約3ユーロ掛かってしまうので、私は自転車をレンタルして通学していました。ヨエンスーには様々な国から多くの留学生が学びに来ており、殆どの留学生が自転車をレンタルします。そのため、早めに自転車を借りに行かないと貸し出せる自転車が無くなってしまうこともあります。私自身、自転車を借りにお店に行くのが遅くなってしまい、貸し出せる自転車がすでに無い状態で、しばらくの間はバスで通学していました。自転車を借りる場合は、ヨエンスーに到着後なるべく早く借りに行くことをおすすめします。また、リサイクルショップなどで自転車を安く買うことも可能のようです。

 

 

<治安について>

留学先であるフィンランドのヨエンスーで生活する中で危険を感じたことは無く、治安は良いと思います。ただ、冬の間は日照時間が極めて短いために(午前10時に日が昇り、午後2時に日が沈み始める)、学校への登下校時も真っ暗の中自転車を運転することになります。暗闇の中自転車を運転する場合は、安全のためライトを付けて走行することが義務付けられています。街灯も少なく、極夜の間は真っ暗な道を走ることになるので、自転車を利用する時はライトを付けることを絶対に忘れないようにしてください。また、治安の良いヨエンスーなのですが、自転車のライトは盗まれることがあるようなので、自転車から取り外し可能なライトを購入して、自転車に乗る時以外はライトを外して管理すると良いと思います。

 

 

<渡航の時に持って行った方が良いもの>

生活面

生活面必需品は大体のものをこちらで購入することが出来るので心配ありません。一つ言うならば、文房具はフィンランドで買うと値段が高く、種類も日本のものほど豊富にはありません。日本ならば、付箋や消しゴム、スリッパなど様々なものを100円ショップに行けば安く手に入れることが出来ますが、もちろんヨエンスーには100円ショップなどありません。値段が高いうえに、日本のものよりも質があまり良いとは言えず、買うのをためらうこともあります。また、冬はマイナス20度という厳しい寒さなので、服の下に着こめるヒートテックや厚手のタイツ、靴下などがあると良いと思います。また、春が近づいてくると太陽の日差しが強く、積もった雪に光が反射するためにまぶしく感じることがあります。そのため日差しが気になるという場合はサングラスを持っていっても良いかもしれません。

その他

私個人の意見ですが、バックパックを持っていると便利だと思います。私は日本からフィンランドに来るときは大きめのスーツケースで来たのですが、ヨーロッパは石畳の道が多く、ガタガタの石畳の上を重いスーツケースを運びながら歩くのが本当に大変でした。また、冬期休暇中に旅行に出かける場合や、Student Unionが企画する旅行に出かける際などにもバックパックがあると便利です。バックパックならば背中に背負うことが出来るので寮から駅までも自転車に乗って行くことができるので、早朝出発の電車や夜遅くにヨエンスーに到着する電車に乗ることができます。(バスだと始発が朝7時台、最終が夜10時台のため、電車の時間によってはバスが走ってないことがあります。)もちろんヨエンスーでもバックパックを購入することは出来ます。私は、ヨエンスーのスポーツショップで半額になっていたものを購入しました。

 

<留学先でのお金の払い方・日本からの送金方法>

お金についてですが、私は渡航前にMoney Tカードというカードを作っておきました。フィンランドには「OTTO」というATMが街中に多く設置されているので、現金が必要な場合はMoney Tカードを使って「OTTO」で引き下ろしていました。また、フィンランドではクレジットカードを大体のお店で使うことが出来る(大学の食堂でもクレジットカード使用可)ので、クレジットカードを使うことが多かったです。寮の家賃を払う場合は、寮を管理する会社の口座に毎月振り込む必要があったので、フィンランドの銀行で自分の口座を作りました。

 

 

<留学先の気候>

フィンランドの冬の寒さは非常に厳しく、日照時間も極めて短いために部屋から外に出るのが嫌で部屋にこもりがちになってしまったり、気分も沈んでしまったりします。しかし、この厳しい寒さと極夜という環境下だからこそ体験できたことも多くありました。日が昇る時間が遅いため、丁度登校するときに湖面に太陽が昇っていく景色を自転車をこぎながら楽しむことが出来たり、夜になると気温がより下がり空気中にキラキラと光るダイヤモンドダストが発生したのを見ることが出来たりしました。また、空気が澄んでおり周りに高い建物も少ないため夜空に浮かぶ星がとても近く感じられたり、空から降ってくる雪の一つ一つが結晶の形をしていることに気がつけたりと、身の回りにあふれている自然の美しさや素晴らしさを体で感じることが出来ました。また、サウナに入って温まった体を雪の中に飛び込んで体を一気に冷やすというのも、フィンランドの冬だからこそ経験することの出来たことだと思います。フィンランドの冬は長く、厳しく、辛く感じることもありましたが、自分なりにこのフィンランドでしか経験できない冬を満喫してみると良いと思います。そして、長く厳しい冬がある分、春の訪れも敏感に感じ取ることが出来ます。雪が少しずつ解け始め、青空が広がり、鳥の鳴き声が聞こえ始めて、長かった冬が終わり、春が少しずつ近づいてきているのだという喜びを強く感じました。

 

<留学を終えて>

去年の8月末にフィンランドのヨエンスーに到着した日のことが遠い昔のことのように思えます。ヨエンスーに来た当初はわからないことばかりで、これから始まる生活に対する不安でいっぱいでした。しかし、ルームメイトの優しさに助けられ、気兼ねなく何でも話せて笑いあえる友達ができていく中で、次第にこちらでの生活にも慣れていきました。留学中は日本に帰りたいと思うこともありましたが、留学が終わってしまうとヨエンスーを離れるのがとても寂しく、この地で出来た多くの時間をともに過ごした友達との別れが悲しかったです。この一年、人とのふれあいや自然とのふれあいから学ぶことがとても多くありました。机に向かって勉強しているだけでは決して学び得ることの出来ない、かけがえのないものを多く得ることが出来たように思います。そして、これからの自分の将来について真剣に考えなくてはならないという課題も見えてきました。留学先での授業が全て終わってから、私は約1ヶ月間かけてトルコ、ギリシャ、イタリア、フランス、スペイン、モロッコへと旅行に出かけました。この旅行を通じて、現地の人々のリアルな生活を知ることが出来たり、様々な人との出会いがあったりしました。仕事を一度辞めて旅を始めた人、留学を終えて旅をする人、仕事で海外に来ている人、新婚旅行で来ているご夫婦、自転車でヨーロッパからユーラシア大陸横断に挑戦している人というように様々な人に出会い、それぞれの異なる考えに触れました。みんなそれぞれ全く異なる人生を歩んでいて、でもどの人も生き生きとしていて楽しそうで、幸せそうだったのが印象に残っています。私も自分が生き生きと輝ける人生にするためには、どうすればよいのかということを自分自身と真剣に向き合い考えていきたいと思いました。