アンジェカトリック大学留学レポート
アンジェ・カトリック大学【2015年度後期帰国】私費
レポート作成O.I
私は私費で4カ月間フランス西部のアンジェという街に留学しました。以前私は第二外国語でフランス語を学んでいて、「フランス語を話せるようになりたい」、「文化を知りたい」、「現地の街並みを見てみたい」と思っていたのでフランスを留学先に選びました。
出発前は書類作成やビザ取得、荷づくりでとても忙しく、また部活動も出発直前まで続けていて準備が不十分だったので、とても不安でした。そして出発当日、空港で家族に見送られて私は12時間飛行機に乗り、パリ郊外のシャルル・ド・ゴール空港に着きました。
到着後、私がロビーのベンチでくつろいでいると周りはフランス語だらけで何を言っているのか聞き取ることができず、とても不安になりました。「ああ~大丈夫かな」そう思いながらもタクシーに乗ってパリの南にあるモンパルナス駅へと向かいました。朝だったため道路は通勤する人々の車で大渋滞していました。砂だらけでへこみまくった車、車、車…
私がフランスに対して持っていた上品なイメージが一瞬で崩れ去りました。それと同時に彼らの運転の荒さにも驚きました。みんな急いでいてイライラしているのかクラクションが鳴りやむことはなく、少しでも隙間があるとそこへ強引に割り込み道路は修羅場と化していました。市内に行くにつれて徐々に渋滞が解消されましたが、私のタクシーは100キロの猛スピードで突っ走り、生きた心地がしませんでした。そして無事にモンパルナス駅へと到着しました。
パリからアンジェへはTGV(テージェーベー:高速鉄道)を利用しました。電車からの眺めはとても綺麗でした。パリ市内を走っているときは周囲はビルばかりでしたが、郊外に行くにつれて森林が広がり、平原が見えてきました。フランスらしい風景を見て「ああ~自分は本当に遠いところに来てしまったな」と思いました。アンジェの駅に着くと私は滞在予定先の寮へと行きました。オーナーに会いましたが、早口のフランス語で話していて何と言っているのか分かりませんでした(ですが、帰国直前は退寮の手続きを一人でできるほどになりました。)。その日は疲れたのでご飯を食べないで寝ました。
さて次の日、学校の始業式とクラス分けテストがありました。テストのできはボロボロで落ち込んで寮に帰りました。気分転換に買い物に行きましたが、見たことのない野菜や食品に驚き何を買ったらいいのか分からず、レジで店員に話しかけられてもうまく受け答えできませんでした。フランスに到着してから最初の一週間は今まで経験したことのないようなカルチャーショックに苦しみました。ですが、授業中、外出中、寮のすべての場面においてフランス語づくしの生活で私は徐々に慣れてきました。授業中は先生の話を集中して聞き、聞き取れない単語があれば、そのたびに質問をしました。また、クラスメイトとは積極的に会話するようにしました。加えて、寮でも積極的に会話するようにし、散歩もよくしました。ちなみに寮には日本の文化やアニメ、マンガが好きな学生が沢山いたのでとても話しやすかったです。アンジェの街の人々も優しい人たちばかりで私が文法面や発音面で間違って話しても最後まで嫌な顔をせず聞いてくれました。そのおかげか1~2か月後には言語面での心配は深刻なものではなくなりました。
学校の授業では私は下から二番目のクラスだったのですが、リーディング、リスニング、発音の授業などがありました。先生方はとても分かりやすく教えてくれましたし、よくクラスメイトと授業内で学んだ表現を使って会話しました。パーティーの時はクラスのみんなで考えた出し物をしました。
フランスでの生活に慣れてくるとフランス(特にアンジェ)はいいところだなと思うようになりました。何か困ったことがあると助けてくれたり、道ですれ違いざまにぶつかったときは必ず「Pardon. (すみません)」と言ってくれました。また、車は歩行者が横断歩道を渡るときは必ず止まってくれました。あと、これは旅行中の話なのですが、私がマルセイユに行ったときに船で沖合の島に行ったのですが、目的地の島で降り忘れてしまいました。ですが、それを知った船長は私一人のために船をその島まで戻してくれたのです。
私は以前からフランスの文化や歴史に興味があったので、休み期間中にフランス各地の歴史的名所を観光しました。私が学んでいたアンジェ・カトリック大学の語学学校(CIDEF:シデフ)では週末に修学旅行みたいなものがあったので、それにも参加しました。サン・マロ、モン・サン・ミッシェル、ノルマンディ、パリ、ダンケルク、マルセイユ、アヴィニョン、アルル…他にはモナコやイタリアにも行きました。本当にいろんなところに行ったなと思います。
また、学校では授業にも慣れ、友達も増えました。私のクラスには日本、台湾、スウェーデン、シリア、アメリカ、ベトナム、中国などの色んな地域や国の留学生がいました。普段何気なく彼らとしていた雑談の中でも、彼らの文化などを学ぶことができましたし、友達としても仲良く楽しい生活を送ることができました。それに加えて、現地の学生とも仲良くなり、パーティーに行ったり、家に招いてもらってご飯をごちそうになったり、バーやディスコに行ったりと色んな体験をしました。あと印象に残っているのは現地にはたくさんのベトナム人や中国人の留学生達がいたことです。長くても数か月から一年だけ滞在する日本人留学生とは違い、彼らの大部分はそれ以上の長期滞在をする予定だと言っていました。「語学学校でフランス語を話せるようになってからこちらの大学院に入る」、「いつかワインのソムリエになる」、「フランスで暮らしたい」などみんな大きな目標があってすごいなと思いました。勉強面や生活面でしんどくなった時は彼らの言葉を思い出して、自分も頑張らないといけないなと思ったものでした。
現地では沢山の人と出会いました。今でも連絡を取っている友達もいます。
留学は私に沢山の変化をもたらしてくれました。私は日本にいた頃は日本が一番だと思っていましたが、フランスでののんびりとした生活も良いと思うようになりました。また、私は日本にいた頃、ニュースの情報を鵜呑みにして海外の国に悪いイメージを持ちがちでした。でも、実際に他国の留学生たちと交流してみるといい人たちばかりでした。あと、私の内向き志向は現地で沢山の人たちと交流する中で積極的に行動するようになりました。合わせて私の語学力も上がって一石二鳥でした。
私のフランスでの四か月間の暮らしは毎日が充実していてとても楽しかったです。日本とは異なる文化や言語に触れ、勉強になりましたし、見聞も広がりました。また、他国の留学生たちとフランス語を用いて交流したことも貴重な体験でした。
あと、親身になって教えてくださった先生方の姿が英語の教職を目指している私の目標でありますし、励みにもなっています。
留学を終えた今、私にとって大事なことはフランスでの経験を大いに生かすことだと思うので、これからは色んな事に挑戦したり、語学も頑張りたいと思います。
もちろん部活動の方も一生懸命に頑張りたいと思います。
海外の文化や言語を学びたいのなら実際に留学するのが一番だと思います。
学生時代だからこそできる留学です。これをお読みになった皆さんは是非とも留学してください!!!