東フィンランド大学留学レポート
東フィンランド大学【2017年度前期帰国】交換
レポート作成U.R
私は単位を取るために最低限のことをする学生生活を変え、人として成長し、視野を広げるために留学をしたいと思うようになりました。最初は短期でイギリスの語学学校に行き、周りに刺激を受け、もっと海外について理解を深めたい、自分を向上させたいという気持ちから長期の交換留学に踏み切りました。
フィンランドに決めた理由はいくつかあります。一つ目は英語が母国語ではないこと。英語のみの環境に抵抗がないので少しでも苦労する環境に身を置きたかったのと、純粋に新しい言語に挑戦してみたかったからです。
二つ目は北欧がなぜいつも幸福度ランキングの上位を占める割合が高いのか。その中でもフィンランドは教育システムが優れていると言われているので教育と幸福度に関係があるのかが気になりました。
三つ目はフィンランドと日本の文化に共通点がいくつかあり、他の北欧諸国とは違う特徴があるように感じたのでそれを自分の目で確かめたいと思ったからです。これらの理由からフィンランドにある東フィンランド大学教育学部に決めました。
授業はフィンランドの教育システムや文化を学べるものを履修しました。授業は交換留学生のために英語で開講されており、世界各国から生徒が来ているのでそれぞれの教育について情報交換もしました。すごく楽しかったのは実践タイプの授業でした。
Finnish artという授業ではフィンランドの伝統工芸を体験したり、Finnish musicという授業では音楽の教え方を楽器などを使いながら学びました。現地の小中学校の授業参観もしたので先生の生の声やフィンランド人のリアルな学生生活に触れることが出来ました。
ほとんどの授業の生徒数が30人以下だったので先生との距離感も近く、学ぶ環境がすごく整っていると肌で感じました。
授業のスケジュールが週によって変わるので生活パターンはバラバラでした。前期は多めに履修登録をしたので大体午前中に一つか二つ授業を受けてから午後にもう一つありました。長めに空き時間が出来るとみんなで学食に行ってお昼ご飯を食べたり、ティータイムを楽しみました。放課後はセンター街に出てぶらぶらしたり、食材を買ったりしてから帰りました。帰った後も友達の部屋に遊びに行ったり、一緒にご飯を作ったりしました。課題などは学校がないときにしていたので家から出るときは友達と少しでもいるようにしていました。
授業がない連休が出来ると旅行に出ました。ヨーロッパ内は周りやすく、電車やバスでも学生割引が効くので安い費用で多国に行くことが出来ました。
楽しい思い出は旅行や外国人の友人との時間だけではなく、向こうで出来た日本人の友達と過ごした時間でもありました。日本人の友人とは協力する機会が授業でも学校外でも多く、お互いを高め合うことが出来ました。外国人にどのように日本の文化や日本語を教えると理解してもらいやすく楽しんでもらえるのか、現地の食材でどうすれば少しでも本場の日本食の味を出せるのかなど、日本人として学ぶことも沢山ありました。
もちろん留学中は楽しいことばかりではなく、外国人との人間関係で悩みました。友達を作るのはそんな難しいことではなかったのですが、関係を維持するのに苦労しました。英語が母国語でない者同士では英語力の差が壁になり、上手く伝えられていなかったり、文化の違いか気を遣ったつもりが失礼なことだったということもありました。しかし環境に慣れてくると緊張も取れ、お互いの文化を理解しあうのが楽しい物に変わっていました。
人間関係以外ではフィンランドの食文化にも少し苦労しました。フィンランド語が読めないこともあり、ヨーグルトと思って買ったものがミルク粥だったり、あまり美味しくない食材にあたってしまったりと色々ありました。外食はすごく高いので極力自炊をするか、学食で食べるようにしていました。
フィンランドはすごく寒く私が住んでいた町では-27℃が最低気温でした。しかし家の中は薄着でも快適な構造でした。空気も澄んでいて景色がすごく綺麗だったので寒い時期も前向きに乗り切ることが出来ました。
フィンランドでの長期交換留学の8ヶ月間はあっという間でした。少しでも長く滞在していたかったと思える本当に良い留学、国でした。一から新しい生活スタイルを作りどれだけ早く馴染んで個性を出していくか、良いことも悪いことも受け止めてそれをどやって次に活かし、力をつけていくかを意識したことで異国でも自分らしくいることが出来ました。
悩むこともありましたが、周りに支えられて乗り越えられたのですごく感謝しています。学校で学んだことも大事ですが何よりも人との出会いが私を大きく変え、とても価値のある時間にしてくれました。学んだことを忘れずどのような環境でもフィンランドでの留学経験を活かしていきたいです。