ブリティッシュコロンビア大学留学レポート

ブリティッシュコロンビア大学【2015年度後期帰国】私費

レポート作成S.M

私は2015年8月から2016年1月まで、カナダのバンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学に留学していました。バンクーバーは海・山といった自然と都市が共存している過ごしやすく美しい街です。カナダ国内でアジアに最も近いのでアジア系移民が多く、日本人が街を歩いていてもめったに差別的な被害にあうことはありませんでした。また世界一住みやすい街に選ばれていたことから留学生も多く、一見して誰が留学生で、誰がカナダ国籍を持っているのかというのはわかりません。治安も諸外国に比べればかなり良く、交通の便もバンクーバーオリンピックの影響で高水準にあるため、良い意味で外国であるという感覚を持たずに生活することができます。気候については、私が過ごした半年間はほとんどが冬であり、寒くない代わりにとにかく雨が降っていました。想像していたよりは晴れの日も多かった印象ですが、ほとんど毎日雨なので気分は落ち込みます。しかし、たまに見られる夕日や青空がとても貴重なものに感じられる点、冬の方がカナダで体験できるイベントが多い点(例えばハロウィン、クリスマス、ニューイヤー)から冬の滞在も自分の気持ち次第で、観光客があふれる夏より楽しめる点は多いのかもしれないと感じました。

私が通っていたブリティッシュコロンビア大学はカナダの中でも2番目に優秀な大学であり、敷地もディズニーランド約8個分にあたるほど大きいです。正規の学生の数も留学生の数もとても多く様々な機会に恵まれた場所で、私はこの大学を選んでよかったと思っています。教師陣にも恵まれ、有意義な時間を過ごすことができました。また敷地内にはたくさんの美術館、庭園、カフェなどがあり、半年だけではすべてを見ることができませんでした。クラス編成もよく考えられているため、多少大変でもついていけないということはなかったように思います。私がこの学校を選んで一番よかったと思っている点は、様々な背景を持つ人と話す機会があるため、国によって異なる英語発音上の癖を知ることができたことです。私の友人の中にはアラビア語圏の人も多くいましたが、彼らの発音は独特で、はじめのうちは聞き取ることにも苦労しました。留学先を決めたのはカナダでは綺麗な発音が身に着けられると考えたことがきっかけでしたが、それを求めてくる他の留学生の発音は個性的なものが多く、国によって異なる癖を知ったことで、より実践的な英語を身につけられたのではないかと思います。今後英語で話すことになる相手はネイティブばかりではありません。第二言語同士の意思疎通ができてこそ使える英語になると思うので、カナダ出身の友人ではなく、留学生や移民の方に囲まれて留学生活を送ることができたのはかえっていい経験になったと感じました。

留学中にはイエローナイフへオーロラ旅行、ラスベガスとグランドキャニオンへの旅行、近いところであればウィスラー、ビクトリア、シアトルに行きました。最も思い出深いのはイエローナイフです。オーロラは自然現象なので見られるかどうかはわかりませんが、それでもカナダのイメージと違わない寒さ、自然の豊かさを感じられるよい旅になりました。また、私の友人が格安の航空券を買ったはずなのに席が確保されておらず、当日余分に10万円ほど払うこととなったのを見て、自分で英語を使って飛行機や宿の予約を取る時には、本当にその会社やサイトが信頼できるものなのかきちんと調べることが大切ということを学びました。日本のように安くても安全性や安心が保障されているとは限りません。私はもともと心配性なのでそういった被害はありませんでしたが、海外ということを忘れがちな住みやすいバンクーバーでは特に常にどこかに意識を持っておくべきだと感じました。

留学を終えて、この留学期間は自分と向き合うよい期間になりました。私は渡航前まで英語が得意と思ったことはなく、それを使って生活する日がくるなど考えたこともありませんでした。そんな中で3回生の後期という就職活動やゼミが本格化する時期に留学するのは珍しいものであったと思います。ブリティッシュコロンビア大学には日本人も多いですが、その中でも大学3年生というのは珍しく、いても自分より英語ができる人たち、もしくは今までに何度か留学経験のある人たちばかりでした。劣等感に苛まれることも多く、中学高校大学と自分のやってきた勉強に疑問を持つ日も多くありました。しかしそういった尊敬できる人たちに出会えたからこそ、日本の大学の中で他大学や海外の同年代と関わらずに過ごしていくよりも自分について深く考え、英語はもちろんのこと、人間的にも成長できたのではないかと思います。日本にいたころは周りに合わせ、自分からいくのではなくどちらかというと受け身で過ごしていました。しかし、他国のクラスメイト達の中でより多くを得るためには自分から行動し、たとえ衝突しても意見を前に出すことやとにかく話すこと、わからないことは素直に聞くこと、自分の感情や思いを前に出すことができるようになったと感じています。一番良かったことはそのように前向きに自分が変われたこと、自分の長所短所をより客観的に知れたこと、人生の幅が広がったことであると思います。素晴らしい出会いに恵まれて、いろんな人生の形があることを知れたとともに、自分にとってありえなかった海外とのつながりをもつ将来についても考えられるようになりました。一番つらかったことは、自分の語学力の無さを痛感したときです。年齢は関係なく、レベルによって分けられるクラスはやはりどうしても常に自分に劣等感を与えました。優しい人、同じレベルの人とはうまく話せるのに、自分よりできる人や、周りを見下す人とはうまく話せない、その程度のレベルである自分の語学力に何度も絶望しました。しかし、そのおかげでまだ上がある、まだまだ勉強し続けなければいけない、と立ち止まることなく進んでこられたと思うので今は感謝しています。また自身の宗教観や日本についても考える機会が多くありました。イスラム教を信仰している友人ができる中で、日本にいると考えない宗教のこと、知らずのうちに持っていたイスラム教へのテロのイメージからの偏見を再確認し、その国の人を知らないということがいかに自分の常識を狭めているのかということを感じました。渡航前は遠い国だったイスラム圏を今ではすごく身近に感じ、一部の過激派のせいで偏見の目にさらされている人や、そのテロリズムを引き起こさねばいけないほどに追い込んだ先進国側の反省すべき点について、以前よりもリアリティを持って考えられるようになっています。書物だけでは決して得られない、友人を持つからこその気持ちがあると改めて感じました。この留学を通して学んだ、行動することの大切さを忘れず今後も邁進していきたいと思います。

Lynn Canyon Park

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The University of British Columbia

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Halloween

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