ハノイ大学留学レポート

ハノイ大学【2017年度前期帰国】交換

レポート作成M.R

Độc lập – Tư do – Hạnh phúc

サパの棚田

ベトナム最高☆

 

 ハノイに着き、大学は温かく僕を迎えてくれると思っていたが、そんなことはなかった。龍谷大学に存在するwelcome party およびfarewellのようなものは存在しない。僕の思い描いていた留学生活とはかけ離れていた。学生たちが青い芝生の上に寝転がっていたり、休み時間に本を顔にかぶせ昼寝している学生がいるとか、おしゃれな飲み物片手に大学内を歩くとか、大雑把に言えばそんなイメージ。だが目にするのはバイクの上で起用に昼寝しているおじさんとか、カフェで誰かが必ず食べているヒマワリの種とか、pm2.5の基準値を超えるのに貢献しているであろう回遊魚のようなバイクたちだとか、、、。

 

 

 人とは違う経験ができたと胸を張って言える。よくバックパッカーが東南アジアを旅行するが、あくまでもそれは旅行に過ぎない。旅行と現地で暮らすことは全く違う。旅行者は現地の有名な料理を毎日食べているうちに帰国していくが、生活するとなると毎日何を食べればいいかまったくわからなくなる。自炊もできない普通の大学生が異国の地で暮らし、おまけに言葉もロクにわからない。当初はビビりまくっていた。体が弱く、最初の三か月で三回風邪を引いた。ローカルフード耐性が付いたのはそのあとくらいだった。現地で生活するとこの国の良い面、悪い面がいろいろわかってくる。べつにこの国の悪い面だけを捉えても良い面だけを捉えてもどちらでもいいと思うし、留学に来たからといってこの国を好きになる必要はないと感じていた。とくにはじめは好きではなかったかもしれない。というのもベトナムに対してストレスがたまっていたわけでなく、暮らす環境が変わるだけでこんなに適用することができない自分に対して嫌悪していた。改めて日本の温室に育てられていたと実感した。だがベトナムでほぼ一年間暮らしたからといって環境適用能力が向上しているわけではない。嫌なものは嫌だし、臭いものは臭いし、汚いものは汚い。うるさいものはうるさい。そしてこのような考え方を変えることはもうできないと思っているのでとくに変える必要はないと思う。

 

留学中の気づき

 

 

 自己と違うものを不思議に思う気持ちだったり、異文化を理解できないと嘲笑したりすることを意識にないところで行っている自分を客観的に捉えることができた。これは留学中自分のなかの最大の気づきだった。僕自身、差別や異文化に対して敏感なほうだと自負していたがこの気づきは衝撃だった。

 

 

 サパ(ベトナム北部)に旅行したときトレッキングツアー参加者のノルウェー人に「日本人はレイシストなんだろ?」と言われたときはびっくりした。びっくりしすぎて何も聞き返せなかった。異文化(異文化という言葉を使うのも違和感がある)に対峙したとき、自分はそれを理解しているつもりで一歩下がって俯瞰的に捉えているような感覚に陥っていたけど、実際異文化の表面だけを知って、知った気になって日本のそれと比べて、結果馬鹿にしていた。自分が誰かを差別していると思ったら、最悪な人間だと思った。そこからあえて開き直るようにし、日本に生まれ、日本で20年間生きてきて、自分のスタンダードが嫌というほど日本に染まっていることを受け入れた。この自分をしっかり日本人として再定義することがとても重要だったと感じている。「なんでこんなことひどいことするのだろう?」「効率悪いなあ」とかを考えるのではなく、「どうしてこうなったのだろう」という風に考えるよう意識した。だからと言って、きれいさっぱり解決!とはなるわけないが、それから自分の精神は安定した。自分はこの国のことについて知らないことばかりであることにも気づき、人間はあまりしらないことに対して恐怖や嫌悪感を抱きがちだと言うことも身をもって経験できた。

 

 

 授業のこととか生活などためになることは一切書きませんでしたが、最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。ベトナム確実にいいところです。詳しく話を聞きたい方はグローバルセンターの阪部さんに言ってください。阪部さん、そのときは連絡ください。

 

 

 ベトナムへの留学の機会を与えてくださった龍大の皆様、心より感謝申し上げます。

 

 

 僕の留学は成功か失敗かまだまだその答えがでるのはずっと先です。あるいはそんなものないかもしれません。これから先の将来で留学してよかったと思える日を楽しみにしています。あまりにも有名なスティーブ・ジョブズの言葉をかりると、「Connecting The Dots 」ですね。ありがとうございました。

 

Cảm ơn mọi người giúp đỡ tôi nhé.

Tôi yêu Việt Nam.

Hẹn gặp lại.