ディーキン大学留学レポート

ディーキン大学【2014年度前期帰国】

レポート作成E.I

<自然環境>

オーストラリアはまずなんと言っても自然がとても美しく、大都会のシドニーでさえ雄大な風景やたくさんの野生の生き物を身近に感じることができました。特に僕は海が気に入り留学中は様々な場所、時間によく足を運びました。生き物に関しても探そうとしなくても海岸に行くとペンギンやペリカン、黒鳥、など日本では動物園にしかいないようなものがごく普通に泳いでいました。インコにいたってはまるでカラスやスズメのように色とりどりの群れをそこかしこに作っていました。

<メルボルン>

メルボルンという街は建築物もビクトリア様式のものが数多く残っており、(これはイギリス以外ではほとんどなくなってしまっているらしいです。)そのような建物の外観はそのままで内装を今風に改築してデパートやホテル、レストランとして利用していたので町並みは趣がありました。 他にもメルボルンは日本では考えられないほどの多様な人種が生活をしていて駅の近くの広場に座っているだけで多文化を感じることができました。そのほかにも多国籍料理を堪能できたり知らない人ともすぐに会話が始まったり毎日どこかで催しものがされていたりストリートパフォーマーがそれぞれの特技を生かした芸を披露してくれるシティはまったく飽きることがありませんでした。世界的に知られた何かがあるわけでもなく関空からの直行便もなくて首都圏の人以外あまり馴染みも印象もない小さな都市なのかもしれませんが、私はおおらかでゆっくり落ち着いた時間の流れる、しかし毎日新しい驚き、感動、発見をくれるメルボルンが大好きだと帰国してはっきりと感じました。コーヒー文化もイタリア移民たちのおかげで発達していてスターバックスが地元のコーヒーショップに敵わず撤退するほどでした。

<ホームステイ>

僕は最後までホームステイで生活していました。1回目のお宅はあまりにも酷すぎたので早々に変えましたが2回目の家庭はとてもよいお宅でした。第一に料理が本当においしかったです。ベトナムからの移民の方だったのでベトナム料理の生春巻きやフォー、サンドイッチのバインセオ、パンケーキのバインミーといったものはもちろん、マレーシア風のフィッシュカリーや東南アジア風チキンライス、中華風炒め物など絶品アジア料理に毎日囲まれてアジア系のレストランにわざわざ行く必要はないほどの幸せな生活でした。当然ご飯は何杯もお代わりしました。次に生活環境ですがその家は常に5人ほどの留学生を受け入れていて食事中や食後の散歩中、さら翌日に予定がなければ遅い時間まで会話を楽しみました、そのおかげかは分かりませんが私は発音が綺麗と言われることが多かったです。みんなが本当の家族のように他人行儀なところなく接してくれて恵まれたホームステイ先であったと自信を持って答えることができます。

<旅行>

計3回の泊りがけの旅行をしました。2回はシドニー、残りはシンガポールです。シドニーへはどちらも一週間、シンガポールへは3日間の滞在でした。

1回目のシドニーは一人でドミトリーを転々として旅行を続けました。食費が元々日本より高いメルボルンより上だったので常に空腹だったような気がします。しかしドミトリーで意気投合した人と一緒にビーチに行ったり、市内の博物館、美術館をめぐったりなぜか信号がひとつもなかったり高そうな壷がそこら中にあるアラブ街に圧倒されたりフェリーに乗りながら沈んでいく夕日を眺めたりとても有意義な旅行でした。二回目のシドニーは友達と市内中心部のホテルを取って前回行かなった水族館、動物園、蝋人形館、ブルーマウンテンと言う山岳地帯に行ったり買い物やホテルのプールでゆっくりしたりして過ごしました。世界の食が集まるフードコートでは、移民の方たちが各々の国の料理を作っていたのを見てほぼ日本人しか住んでいない日本とオーストラリアを対比して単一民族国家と他民族国家のメリット、デメリットを考えて日本はこれからどのような舵を取るのかを考えて食べていたわけではなく、ただひたすらうまいうまいと食べていました。とてもおいしいタイ料理屋も別の場所で発見してリピートもしました。

シンガポールは直前までまったく行く予定はなかったのですが、ホストの方に中継地として寄るならぜひ観光したほうがいいと言うことで急遽数日滞在することになりました。そのような成り行きで勧められるままに旅行したシンガポールでしたが、予想外に楽しかったです。お祭りの運営を飛び込みで手伝ったりインド人のおじいさんの巧みな経営によっていつのまにかカレーを食べていたりインド街に行ってインド人以外は私一人だけになったり、モスクや寺院に行って宗教が身近にあるということを肌で感じたりサファリの動物の距離の近さに興奮しホーカーというフードコートの異国情緒あふれる食べ物の数々に目移りしたり二階建てバスの屋上に座って夜風に当たりながらシンガポールの町並みを見てまたすぐにでも戻りたいくらい心から満喫できました。

日帰りとしては近郊の景勝地であるグレートオーシャンロードという断崖に行ったり浜辺に行ったりワイナリーに行ったりしました。初めてミュージカルを観たことも忘れられない思い出です。

<留学を通して>

留学期間は半年間と一年行く人たちに比べると多くないということもあって始めから語学面に重きをおくのではなくむしろ内面的な精神面を成長させると言うことを目標にして留学生活を送っていました。その中で自分が感じたこと、留学後に気づいたことはたくさんありますがひとつ挙げるとするならば、積極的な性格に近づいたというのが1番の収穫と言えます。留学前まで誰かが先に行動をするまで様子を伺おうとか失敗を回避するためにとりあえず考えよう、相手が困っていそうな雰囲気だけど口に出してないし気づかないふりをしようということばかり考えていて一言で言ってしまえばかなり受動的な性格をしていました。しかしオーストラリアで暮らすうちに周りの人たちの自由奔放さ、楽天主義を目の当たりにし自分ももっと自分自身をさらけ出してもいいのだと考えるきっかけをもらいました。そこからは自分から率先して話しかけたり分からないこと困ったことは周りに相談したりなど何事にも物怖じせず挑戦をする習慣をつけることができました。

<最後に>

今まで僕は海外に行ったことがありませんでした。その理由のひとつが「海外に行ってもこんな語学力ではとても通用するわけがない」という思い込みでした。しかし実際に飛び込んでみると案外何とかなると言うのが今の感想です。少しの勇気さえあればたいていのことはどうにか対処できます。そして海外に行くことで自分の選択肢を広げることができます。留学前は決して考えてもみなかった海外で生活し働くということも今では将来の分岐のひとつとしてしっかり存在しています。もちろんサービスが細やかで清潔な日本が大好きですがそればかりではないということや外から見た日本という国の立ち位置といった客観的に判断できる視点をあたえてくれた留学は短い間でしたがとてもいい体験になりました。費用や手続きの面で厄介なことも少なくないですが、大学生のうちに是非体験しておくべきであることのひとつです。