ブルゴーニュ大学留学レポート

ブルゴーニュ大学【2017年度後期帰国】私費

レポート作成S.H

 私は4回生の後期にフランスへ4ヶ月間留学をしたのですが、4回生で留学するとなると就職活動や卒業論文と時期が被さってくるので行くまでの手続きが大変でした。今回はイレギュラーであるそのお話をしたいと思います。

 私自身は三年次編入生であり、フランス語研究コースに在籍していたので4回生の後期までフランス語の必修科目があり、行ける留学の種別は向こうでフランス語の必修科目の単位が取得出来る単位認定留学のみでした。留学サポートデスクの方、エージェントの力を借りながらなんとか留学する事が可能になり、とても嬉しかったのを覚えています。しかしながら、留学の計画は事前に何度準備していても前途多難だと感じました。

 三回生から一年間、龍谷大学に在校していなければ留学にいけない規定があったので就職活動が落ち着く4回生の後期に留学に行くのが良いでしょうと国際学部教務課の方に言われたのもあり、4回生の後期に留学に行く為の準備を進めていましたが実際、単位認定留学をする為には本校の卒業判定会議までに留学先の成績証明書と卒業証を持って帰らなくてはいけません。しかしフランスのほとんどの大学で卒業証の発行は1月に行っており、12月にある卒業判定会議には間に合わず、留学出来ないと留学サポートデスクで4回生の4月に言われたのです。泣いたのを覚えています。留学する為に龍谷大学に編入し、教務課やサポートデスクに何回も足を運び、相談をし、教務課の方が仰っていた提案が龍谷大学の規定にあっておらず、5回生になるかもしれないと言い渡された時、正直に申しますと腹が立ちました。だから私が伝えたいのは何度も疑問に感じた事は納得したりせず確認した方が良いです。大人の方だからと言って個人の全ての事情や都合を把握するのは勿論ですが、無理だからです。そして誰も責める事は出来ません。

 しかしエージェントである日仏文化協会の方がブルゴーニュ大学でなら早めに帰国しても成績証明書の受け渡しが可能だと教えて下さったので晴れて私は留学に行ける事になりました。イレギュラーな留学を計画する時は本当に気を付けて下さい。そしてサポートして下さった方々に全力で感謝して下さい。

 留学先で感じた事は、ブルゴーニュ地方は思ったより栄えているんだなと言う事、そして私は全然フランス語が出来ないな、ついていけないなと素直に感じました。フランスに憧れて今まで何度も旅行で足を運びましたが、学びの場になると考え方も変わりました。フランス語を絶対話せるようになるぞ!と意気込んでも発音が向こうの方に通じていないと悲しくなったりもしました。私は抜けている部分もあるので一人では解決出来ない事を周りの方々に助けて頂きながら過ごした4ヶ月間は楽しくもあり、思ったより大変だったのを覚えています。日本では人に迷惑をかけるのはあまりいいことではありませんが、フランス人は思ったことをすぐに言うのであまり気にしなくて良いと思います。そして、彼らの国民性からか、とても親切です。重たいキャリーケースを運ぶ際も手伝って下さったり、拙いフランス語を一生懸命聞いて下さったり、私は旅行で来たフランスよりも、留学で来たフランスという国がとても好きになりました。

 私は日本の家族の事が大好きという訳ではなく、日本という国も好きではなく、出来ればこんな大阪の端っこの田舎暮らしから抜け出したいと感じていました。だから就職活動も留学に行く前は東京で行っていましたし、いつかフランスに住みたいと本気で考えていました。しかし、フランスという国は人との繋がりや家族との時間を大切にします。愛の国です。留学中の寮生活、日本の家族の事がとても愛おしくなり、日本という国の便利さ、仕事の早さ、食べ物、水の質、お風呂、全部恋しくなったのを鮮明に覚えています。

だから私は就職活動を日本に帰ってきてから地元である大阪で行いましたし、実家に未だに住んでいますが、就職先は家を売るお仕事を選択しました。理由は、家族の憩いの場、殆どの時間を過ごすはずの家を、一緒に探すお手伝いがしたいと私はフランスで思ったからです。日本が恋しかったからです。家がある事がとても幸せでした。幸いテロもなく、無事に帰ってこれましたが、少し覚悟はしていた部分もあったからです。

 留学をしてから、私の考え方は少し変わりました。代わり映えのしない毎日ですが、怖いものが無くなりました。何故なら私は言葉が殆ど通じない国でなんとか楽しく過ごせたのだから、日本で起こる些細な不安は簡単に解決できると強気だからです。日本語が通じるのに、伝えれない事はないと思いますし、もし通じないなら伝え方が悪いんだと思えるようになりました。

 私はたった4ヶ月間ですが、龍谷大学を通して留学に行けて、とても良かったと思っています。楽しい事ばかりじゃなかったですし、ホームシックにも陥りましたが、環境に恵まれ、自分で何とかしてみようという気持ちが強く芽生えたのも留学をしたいという強い気持ちからでした。フランス語はペラペラにはなれませんでしたが、迷っている方、4回生の方もぜひチャレンジしてみて下さい。世界が変わる訳ではないですが、世界に対する物の考え方は変わります。